世界で勝ち続けるには:モノづくり日本会議がセミナー

2019/09/06 イベント
自社のビジネスモデルを紹介する林氏の写真 自社のビジネスモデルを紹介する林氏

 トヨタ自動車、キヤノンなど製造業100社超で組織する「モノづくり日本会議」は9月5日、東京都港区のTEPIAホールで「第1回モノづくり力徹底強化検討会」を開いた。「世界で勝ち続けるには~成功事例に学ぶ」をテーマに、モノづくり研究の第一人者である東京大学ものづくり経営研究センター長の藤本隆宏教授が基調講演したほか、実際に中小企業と大企業の担当者が取り組み事例を紹介した。

 藤本教授はまず、平成の30年間を振り返り、この間の国内総生産(GDP)が約500兆円と横ばいだったのに対し、製造業は100兆~120兆円と2割以上をキープし、人員は1500万人から1000万人に減少したと指摘。製造業の付加価値生産性は30年で1.5倍に増え、中国や東南アジアとの賃金格差も縮小した今、テレビや半導体などを引き合いに製造業が厳しい局面に立たされているという見方を一蹴した。

 その上で「デジタル化の時代こそ、コテコテのモノづくりが重要だ」と強調。日本のモノづくりは機能と構造が複雑に絡み合い、作業者・技術者間で深い連携が必要な「インテグラル(擦り合わせ)型」であるのに対し、米国や中国のモノづくりは機能と構造の関係が単純で調整があまり要らない「モジュラー(組み合わせ)型」が強く、「米中の覇権争いが高まる中、双方を補完する技術や製品供給に徹することで日本企業に勝機が生まれる」と指摘した。

 続いて、テクノラボ(横浜市神奈川区)の林光邦代表取締役が「金型で世界のアジャイル製品開発をサポート」をテーマに講演。同社は主にベンチャー企業向けに、電子機器や医療機器用プラスチック筐体を製造しており、簡易金型を使って低コストに少量生産製品を提供する。林氏は海外版ホームページやSNSの活用など海外展開の過程で試行錯誤を繰り返した経験を披露した上で、「来期は全体の2割が海外からの受注になる見通しだ」と語った。

 このほか、日立製作所ヘルスケアビジネスユニットの河野敏彦CTO(最高技術責任者)が「日立ヘルスケア事業:顧客価値への取り組み」をテーマに講演。超音波診断装置やMRI(磁気共鳴画像)装置など競争力の高い医療機器事業の取り組みについて紹介した。

中小企業ニュース編集部

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