「中小企業の日」制定を機に中小企業関係者に聞く5:羽田詩織・SUPERFINEイベントプロデューサー

2019/08/28 特集
not set 町工場の魅力を語る羽田氏(右)と外山補佐

 7月20日の「中小企業の日」制定を機に中小企業の魅力を語るシリーズ、5回目は「町工場親善大使」として日本全国の町工場を駆け巡りながら「絶対に製造業を好きになるイベント」をテーマに、子どもから大人まで楽しめる地域密着の町工場イベントを企画する株式会社SUPERFINE(東京都豊島区)の羽田詩織イベントプロデューサーに聞いた。(聞き手は中小企業庁長官官房総務課の外山彩香課長補佐)

外山 株式会社SUPERFINEのイベントプロデューサーとして活躍する傍ら「町工場親善大使」として日本全国を駆け巡っている羽田さん、中小企業、とりわけ町工場の魅力とは何でしょう。

羽田 ものづくりは奥が深く、自分が知らないことがありすぎました。世の中に流通し見慣れた、例えばネジやバネのみを製造する中小企業があることを知ったとき、衝撃を受けました。消費者である私たちがそういった企業の存在を知らないのに、中小企業は何も言わずに下支えしている。そんな中小企業の魅力を世の中の多くの方々にも知っていただきたいと、イベントを企画し始めました。

外山 ものづくりに関して知らないことが多すぎたとのことですが、そもそも、ネジやバネのみを製造する中小企業に対し、どのようなきっかけで関心を持ったのでしょうか。

羽田 全日本製造業コマ大戦というイベントの司会を依頼されたのがきっかけです。コマ大戦とは金属加工の製造業の方を中心に小さなコマを作り、闘わせるイベントです。このイベントに出場している職人の方のキャラクターが濃く、こんなにも魅力的な人がものづくりをしているという点に衝撃を受け、普段どのような仕事をされているのか興味が涌き、製造現場を見学させていただきました。

外山 素敵な出会いがあったのですね。そのような出会いの中で羽田さんのようにものづくりをする中小企業に惹きつけられた方がいる一方で、日々の暮らしの中で中小企業の存在や魅力になかなか気付く機会のない方が多くいらっしゃると思います。「中小企業の日」を中小企業の経営者や従業員だけでなく、地域の人、とりわけ若い世代にも中小企業に関心をもってもらいたいという思いを込めて設置しました。羽田さんは小中学生など若い世代向けのイベントも数多く企画されていますが、若い世代に関心を持ってもらうために意識されていることやコツがあれば教えてください。

羽田 「絶対楽しくすること」です。とにかく楽しくすることが第一です。次にカラフルにすること、そして女性に響くものを心掛けています。女性は見た目やかわいいといった感性を大事にする気持ちがあるためその点を意識しています。女性が集まるところには自ずと男性もご一緒されることが多いと感じますので、まずは女性が楽しんで聞いていただけるようなイベントを意識しています。

外山 SNSでの発信などを通じて女性向けにアピールするという点がポイントなのですね。7月19日にも「中小企業の日」の前夜祭として7月19日に「非町工場たいけん よるのえんにち!」を中小企業庁公認で開催されましたが、どのようなイベントだったのか、当日の盛り上がりについても教えてください。

羽田 製造業を行っている方とそれに関わりたい方とのマッチングイベントを行いました。普通のイベントではなく参加者の方々がワクワクできるようなイベントにしたいと、南青山でジャズを聞くという非日常の体験の中でドキドキしその空気感を楽しみながら、交流を図るイベントを開催しました。初開催で不安でしたが、女性に好評で、経営者を含め関係者からも「素敵だった」「次回があればまた行きたい」とお言葉をいただきました。一番遠い方では香川県から参加された方もいて、同じ製造業でも普段なかなか出会えない中小企業の経営者の方々が交流する瞬間をこの目で見ることができ、とても嬉しかったです。

外山 同じ地域内では中小企業同士の連携は進みやすいと思いますが、地域外の連携や異業種間でのつながりはなかなかないという話を聞きます。今回のイベントで実際に地域外でのビジネスが生まれるきっかけはありましたか。

羽田 ありました。全く業種の違う2社がつながり、実際に仕事の話を具体的に進めようとしています。知らない技術を知るきっかけになった、知らない素材を知ることができたなど、情報交換により新たな情報を入手している中小企業の方も多くいらっしゃいました。

外山 イベントをきっかけにつながりが生まれ、ビジネスにつながる、羽田さんがハブの役割を果たしているようですね。

羽田 中小企業の経営者は面白い方、素敵な方ばかりなので、しがらみなど構わず、どんどんつながれば良いと感じています。私は製造業と関係のない第三者なので、マッチングを生み出す点で有利に働いているのかもしれません。中小企業の方々もそのような点を私に対して期待されているのかなと思います。

外山 第三者の目線だからこそ異業種間のマッチングを勧めることができるということですね。今後企画してみたいイベントや今後の羽田さんの意気込みを教えていただけますか。

羽田 2つあります。まず1つ目は「町工場たいけん えんにち!」といった地域を巻き込んで子どもをはじめとした地域の方と町工場の方をつなげるイベントをどんどん大きくし、大きな会場で日本中の町工場が集まり、多くの方から愛されるようなイベントを開催したいです。もう1つは「よるのえんにち!」のような異業種交流で、「ものづくり女子会」や数多くある工業会同士をミックスしたイベントを開催したいです。

外山 さらなる広がりが楽しみですね。最後に、今は中小企業に関心を持っていないであろう若い世代にメッセージをお願いします。

羽田 ぜひ町工場に足を運んでください。町工場をどのように探して、行けば良いのか迷われる方も多いかと思いますが、町工場体験ツアーといったイベントは自治体単位でも各地で開催しています。まずは多くの方に私が感じているワクワクを味わっていただきたいと思います。

中小企業ニュース編集部

関連記事

最新ニュース/記事一覧

back to top