「中小企業の日」制定を機に中小企業関係者に聞く2:日疋好春・ひびき代表取締役

2019/08/06 特集
not set 地域企業の重要性を語り合う茂木氏(左)と日疋氏

 経済産業省中小企業庁は今年、中小企業・小規模事業者の存在意義や魅力を発信するため、中小企業基本法の公布・施行日である7月20日を「中小企業の日」、7月の1か月間を「中小企業魅力発信月間」に制定した。これを機に中小企業の経営者や学識経験者に「中小企業の日」制定の意義や将来展望など思いを語ってもらうシリーズ、今回の登板は地域未来牽引企業であり、埼玉県内を中心に焼き鳥店を展開する株式会社ひびきの日疋好春代表取締役だ。(聞き手は中小企業庁長官官房総務課の茂木高志総括課長補佐)

茂木 日疋社長は地元東松山市で焼き鳥店を始められ、「やきとりで地方創生」を合い言葉に地方でも仲間を増やしながら、今や海外にも支店を出して日本の焼き鳥の魅力を世界に発信するなど濃密な活動をされています。中小企業の魅力とは何でしょう。

日疋 大きい組織にいると自分がどのように組織に役に立っているのか、地域社会にこの仕事がどうつながっているのか、「知る機会が少ない」と言われる方によく出会います。それに比べ中小企業は自分が何役もやらなければならないし、自分がいないと地域や会社が動かない。大変だけどやりがいがある。魅力はそこにあると思います。

茂木 ご自身が動かないと物事が動かないというお話ですが、具体的には。

日疋 先週、ロシアの在モスクワ日本大使館に招かれて焼き鳥のフェアを開催しましたが、そこには社員の一人を責任者として派遣しました。本人も最初は驚いていましたが、自分で考えて立派に役目を果たしてくれました。本人も良い経験だったと言ってくれました。このように自分が動いて実現するという機会にあふれています。

茂木 海外展開にも積極的に取り組まれています。その際、焼き鳥だけでなくお酒や器なども一緒に海外にPRされています。

日疋 私どもの業界が13年ほど続けてきている「やきとりンピック」いう全国イベントがありますが、今年は焼き鳥の町ではない紀州漆器の町、和歌山県海南市で10月に開催します。第11回大会ではイタリアのフィレンツェで、初めて海外で焼き鳥文化を発信しましたが、フィレンツェの方々から、焼き鳥ってどういうふうに盛り付けるのかと聞かれまして。ヨーロッパでは陶器はチャイナ、漆器はジャパンと呼ばれていた。ならば盛り付けるだけでなく器にはジャパン(漆器)を使おうと。紀州漆器さんがそれに応えてくれたのです。

茂木 日本の食である焼き鳥と、伝統産品である漆器が美食と芸術の町フィレンツェに結集したわけですね。

日疋 ヨーロッパは良いものに対する手応えがいいですね。ヨーロッパで認めてもらえると、アジアの人たちも興味を持ってくださる。遠く離れたところとお互いに意見交換するのは学びや気付きがあってとても良いです。

茂木 「中小企業の日」制定を機に、経営者や従業員だけでなく、家族や地域の子供たちにも地元の会社・魅力を存分に感じてほしいと期待しています。次世代の担い手である若者が地元企業の魅力をしっかり理解して、そこで働きたいと思っていただけたら、日本はもっともっと元気になっていくと思うのですがいかがでしょう。

日疋 おっしゃる通り。中小企業について考える日を制定していただいたのは大きな一歩です。価値観を子供たちに変えてもらうことが必要です。私たち大人はお金だけでなく地域の役に立って働くことの価値を教えてあげなくてはいけないと思います。

茂木 地元を引っ張ってこられた企業や経営者の方々の取組が経済的にもいい結果につながるよう尽力していくことが中小企業庁の役割と思っております。日本の中小企業を盛り上げていくために中企庁に対するご期待はありますか。

日疋 ボクシングにはいろんな階級がありますが、どの階級にもチャンピオンがいます。大中小という大きさで評価するのではなく、中小企業という言葉が、地元を支えている「地域企業」など次の言葉に進化するといいですね。

茂木 中小企業施策でも重要な点として考えていきたいと思います。最後に全国の中小企業にメッセージをお願いします。

日疋 地元でがんばっている経営者には自分の子供には会社を継がせたくないと思う経験が多々あります。それでもなぜ私たちは明日もがんばろうと思っているのか。やっぱり誰かにありがとうと言ってもらえるから、がんばれている。「中小企業の日」を機に、そのことを中小企業の皆さんが確認し合えるといいと思います。

中小企業ニュース編集部

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