後継者研修卒業生が講演:中小企業大学校が事業承継セミナー

2019/04/18 イベント
中小大学校 研修時の体験を語る木村氏

 中小機構が運営する中小企業大学校東京校は4月17日、東京都東大和市の同校で2019年度の第1回事業承継セミナー「私が家業を継ぐと決めた瞬間」を開いた。同校が運営する後継者育成専門プログラム「経営後継者研修」の講師である小林茂之コンサルネット代表取締役が、事業を円滑に承継するためのポイントを解説。また、同研修を卒業した木村ミルクプラント(福島県いわき市)の木村俊太郎氏が、後継者になると決めたきっかけや研修内容、成果などを紹介した。

 小林氏は、事業承継がうまくいかない理由として、後継者に①会計・財務に関する知識や会社を運営するスキルがない②会社を経営する覚悟がない③ビジョンがない-の3点を指摘。「社員一人ひとりが当事者意識を持ち、自らの考えと意志で働き、互いに支え合う組織を作ることができる後継者が新たな求心力を生む」と強調した。

 その上で、創業の志や成功した要因を理解して守るべき価値を知る「守」、環境が激変する中で自社の常識を疑い、環境適応のための方策を試す「破」、明確なビジョンを掲げて新たな経営を目指す「離」が進むべき道だとし、「何かを学ぶためには、自分で体験する以上にいい方法はない」というアインシュタインの言葉を紹介した。

 牛乳やヨーグルト、プリンなど製造する木村ミルクプラントの木村氏は、2017年10月~18年7月に経営後継者研修を受講した最近の卒業生。「自分が継ぐべきという漠然とした使命感」から大学卒業後、他社で就業経験せず直接入社した。だが実際に働き出したら、製造から出荷、品質管理、人員の振り分けなど、さまざまな業務に追われ、「後継者が実務にのめりこんでいくことが不安で、自分では後継者教育をしきれない」と考えた社長が受講を推薦したという。

 経営後継者研修は、事業承継を前提としたカリキュラムを10カ月間集中して受講する。自社の沿革、業務、財務、人的資源、リスク管理などを分析し、将来の経営戦略などを策定した上で、各社の経営者らの前でプレゼンテーションする。「受講した結果、事業承継に対する不安はなくなり、何をすべきかが見えてきた。10カ月という長期間、自社から離れたことで、自社の存在意義を深く考えられたほか、全国から集まった同じ後継者の仲間と出会えたことは大きい」と語った。

中小企業ニュース編集部

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