中小企業の情報保護でセミナー:三菱総研

2019/03/20 イベント
not set 情報管理の重要性を議論するパネリストら。

 三菱総合研究所は3月19日、経済産業省委託事業の一環として、セミナー「企業の情報の有効な活用と保護に向けて~ノウハウなど情報の適切な管理はできていますか?~」を赤坂インターシティコンファレンス(東京都港区)で開いた。小説『下町ロケット』の神谷弁護士のモデルにもなった鮫島正洋弁護士が基調講演したほか、情報管理に積極的に取り組む中小企業の担当者らがパネル討論した。中小企業経営者ら約200人が参加した。

 「競争に勝ち抜く知財戦略と情報管理の要諦」をテーマに講演した鮫島弁護士は、新製品開発や新規事業進出に際して、知的財産戦略は価格競争に陥る危険性の高い後発企業の登場を制御し、利益率を維持する上で重要だと指摘。とりわけニッチトップになるために知財戦略は必須と強調した。

 知財を特許出願するか、敢えて出願せずにブラックボックス化(営業秘密管理)するかの2つの選択肢を紹介し、「侵害検出性の乏しい情報は特許化ではなく、ブラックボックス化を選択すべきだ」と話した。ブラックボックス化に伴う手法として、守秘義務契約や不正競争防止法上の営業秘密保護、先使用権などを解説した

 三菱総合研究所の村野正泰主席研究員は、中小企業を対象に行った情報管理に関するアンケート結果(回答711社)を披露。情報管理の重要性を認識している企業は7割、重要情報を特定している企業は約4割である一方、取引先からは秘密保持契約やチェックリストの提出など情報管理の要求は高まっている現状を紹介した。

 「これからの中小企業における情報保護」をテーマとしたパネル討論会では、経済産業省製造産業局の府川秀樹企画調整官が、国内外で技術情報の奪い合いが激化している実態を披露し、国が始めた「技術等情報管理認証制度」を紹介した。ITコーディネータなど専門家の支援を受けながら、国が示した「守り方」に即して情報を管理しているかどうかの〝お墨付き〟が得られるもので、技術情報保護を促し、対取引先や新規開拓に有利になる。

 経産省はすでに中小企業52社に認証制度を試行しており、その1社である由紀精密(神奈川県茅ヶ崎市、航空・宇宙部品製造)の笠原真樹取締役は「これまで自己流でやってきた情報管理をチェックできた点と、どこまで管理が必要なのか助言を得られた点が良かった」と評価。打田製作所(東京都江東区、金型製造)の淡嶋達治技師補は「自社と顧客の技術情報を守るのに役立つ。制度が広く認知されるよう望みたい」と述べた。ITコーディネータ協会の松下正夫参与は「社内に人材がいない場合、外部の専門家を上手に活用してほしい」と話した。

中小企業ニュース編集部

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