米国人セレクトショップ経営者がトレンド伝える:ジェトロ「サンフランシスコデザイン製品輸出セミナー」

2019/03/13 支援
米国デザイン分野商談会&セミナー 米国人の志向を伝えたパネル討論

 ジェトロ(日本貿易振興機構)は3月12日、東京都港区の同本部で中小企業海外展開現地支援プラットフォーム事業「サンフランシスコデザイン製品輸出セミナー」を開催した。同地でプラットフォームのコーディネーターを務めるパトリック・ブレイ氏およびセレクトショップの米国人経営者4人を招き、バイヤー視点で現地のトレンドや日本製品の印象などを講演とパネルディスカッションで伝えた。デザイン商品分野で同国進出を検討している約80人の中小企業経営者らが聴講した。

 ブレイ氏は「米国マーケットにおける日本製デザインプロダクトの可能性」と題して講演した。日本製品への関心と需要は米国市場の多くの分野で高まっており、現代的なデザインを取り入れた伝統工芸品は特に人気があると説明。フランスの典型的なグラスを日本風にアレンジしたデザイングラスなどは大きくて重たいアメリカの一般的なグラスと異なるため受け入れられているケースを好例に挙げる一方、製氷皿やガラスクリーナーなど米国人に馴染みのない商品を売るには、特長を簡潔にまとめた製品説明や工夫したパッケージが必要とした。同国では氷は大きな塊を自ら砕いてロックアイスにし、ガラス製品は家にある布巾で拭くのが一般的という。米国人パートナーを介して販売する場合には柔軟な協力姿勢が求められるとした。パートナーは日本製品のデザインや配色に多くの変更点を要求するだろうが、伝統的な技法を用いるなど歴史のある日本の業界にも耳を傾けてほしいと助言した。

 続いて行われたパネルディスカッション「米国のデザイン製品市場とベイエリアの今」には、デザイン性に富んだ手作りの生活用品を幅広く取り扱っている「レアデバイス」のオーナー ジゼル・ギャルセン氏、現代的な日用雑貨を機能性と耐久性の両面から厳選している「ミニマル」のオーナー クリスティーナ・ランスキ氏、デザイン家具のショールーム「タートル&ヘアー」および家具職人の作品を展示するスペース(MRCWデザイン/ビルド=職人工房)を運営しているクリストファー・ウェイスとモニカ・ウレスカラ夫妻の4人が参加し、ブレイ氏の司会で進行した。

 各者とも米国の客は製品を通じて作り手の制作意図や製法を理解し、作品にまつわるストーリーを共感することで作り手を支援する意識があると説明。環境意識が高く、リサイクルにも積極的なことなどから好まれる耐久性に優れた日本製品にも、機能性だけでなく、店舗スタッフが来店客に語れるストーリーを期待した。自分の店舗でしか買えない独自商品の確保は重要な誘客手法であると強調。マーケティングに制限があり、手数料手続きがかさみがちな大手ネット通販サイトの活用は、店舗販売を補完するツールとして捉えていると小規模店舗経営者ならではの見解も示した。

 最後に、ブレイ氏が米国のバイヤーは日本企業に即答を求めているため、高い英語力・交渉力・調査力を持つべきと助言して締めくくった。日本企業は正確な回答を提示するために時間が必要としてバイヤーの質問や提案を一度会社に持ち返る傾向にあるが、バイヤーは、その間に他のトレーダーとの交渉を成立させるという。

中小企業ニュース編集部

関連記事

最新ニュース/記事一覧

back to top