【特集】「新価値創造企業の横顔」大学シーズの圧電材で事業化:PiezoStudio(ピエゾ・スタジオ)

2019/03/05 特集
この記事の内容 ・IT機器の消費電力低減とエネルギー利用の効率向上が情報技術革新社会の課題
・課題解消に向け東北大学が開発した圧電材を実用化するベンチャーとして2014年設立
・電力消費を抑え耐高温性もある特徴を活用し、新たなデバイスへの展開を目指す
not set 新規圧電単結晶材料を手にする井上社長

 中小企業の成長をサポートする場として中小機構は「新価値創造展」を毎年開催し、出展者の中から新価値創造への寄与が期待される企業に「新価値創造賞」を贈っている。昨年の同展で栄誉に輝いた、3社の優れた技術・製品と新分野開拓への意気込みなどを紹介する。

 ITが社会構造を変えた。ITは生産性を大幅に向上させ、ビジネス、生活の利便性が飛躍的に向上した。まさに現代は、ITの活用なしには成り立たない情報技術革新社会ともいえるだろう。

 しかし、必需品となったコンピューターなどIT関連機器による電力消費が増加し、電池交換や充電にともなう手間、さらには廃棄電池などの増加への対応など、利便性の裏にある解決すべき課題も顕在化している。便利で安心・安全な社会を実現するためには、IT機器の消費電力低減とエネルギー利用の効率向上などへの取り組みが喫緊の課題だ。

 これらの課題解消をイノベーションで取り組んでいるのが、東北大学発のベンチャー企業であるPiezo Studio(ピエゾ・スタジオ)だ。同社は東北大学金属材料研究所の吉川彰教授が開発した圧電材料を活用し、IoT時代に欠かせないデバイスの開発・製造を行うため東北大のBIP(ビジネス・インキュベーション・プログラム)の採択を受けて2014年12月に設立された。
 
 代表取締役社長の井上憲司氏は、水晶振動子メーカーを経て吉川教授が立ち上げた企業に転職。その後、新会社へ移った。「大学で生まれた材料から革新的製品を創出する。この事業にやりがいを感じる。東北で生産することで地域の産業発展にも寄与できることも大きな喜び」と語る。

 圧電デバイス開発と商品化を経験した井上社長、結晶研究の世界的第一人者である吉川教授がタックを組む企業。これに加えて東北を中心とする企業との協業体制を築き量産体制が確立する。まだ設立5年に満たないベンチャー企業だが、強力な産学連携によるビジネススキームなどピエゾ・スタジオには潜在力の強さがある。

次ページ 事業化への展望
企業データ

PiezoStudio(ピエゾ・スタジオ)
代表取締役社長井上憲司氏
本社宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-40 T-Biz(東北大学連携ビジネスインキュベータ)
電話022-393-8131
設立2014年12月5日
従業員数3人

中小企業ニュース編集部

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