【特集】「生産性を考える」体制最適化が効率の要:東郷(鹿児島市)

2018/08/02 特集

量産化対応を視野に

 次に取り組んだのが、新たなニーズに対応するため生産活動全体の最適化だ。プロジェクトチームを立ち上げ、4M(人、材料、機械、方法)の活用とQCD(品質、コスト、納期)を徹底的に検討し、切削時間の短縮などを実現した。創意工夫は技術面だけでなく人材活用にも及ぶ。

 生産性向上は、機械を扱う技術者の高度化も伴う。人を育て技術力を高めていく中で、効率化を伴う生産が可能になる。こうした考え方から研修への派遣や外部から講師を招き勉強会を行うなど、最新の技術動向を学ぶ姿勢を重視する。

 人手不足の解消と技術力の底上げを図るため、女性と外国人を積極採用し技術者として育成する。女性技術者は全社員の約2割。このうち5年前に設立したタイ工場の女性技術者を日本で技術習得させることでタイ工場の技術向上にも役立てている。

 育てる人材は「持てるノウハウ、考案を発揮しロボット化を達成する挑戦者であり、自ら考える人」と強調する。24時間連続加工が難しい金型製作工程の3分の1を段取り、3分の2を連続加工することで、生産性は大幅に向上する。さらにノウハウを蓄積し加工前の段取りを短縮。これにより24時間フル稼働に近づけていくこと。

 それは量産化への対応でもある。Type-C型と呼ばれ、今後の需要増が見込まれているUSBコネクターとそれを製造する鍛造成型機を開発中で、これは平成29年度「戦略的基盤技術高度化支援事業」(サポイン)に採択されている。これならば海外勢に負けない量産品を国内で生産できる。

 昨年、閉校になった県北西部にある長島町の小学校を譲り受け、新工場として今秋の本格稼働を目指している。「地元採用を積極化し3年後には50人の工場にする」という。
人を育て、社員の創意工夫で生産活動を最適化する。さらに自動化へと進む。東郷が挑む生産性向上への取り組みは、地域で新たな雇用を生み出す副次的効果もある。

企業概要

東郷
代表取締役東 成生氏
本社所在地鹿児島県鹿児島市川田町2194
電話099-298-8050
設立1985年10月
従業員数81人
事業内容精密プレス金型の製造・販売

中小企業ニュース編集部

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