戦後最長の景気拡大続く:東商講演会で見通し

2019/01/22 イベント
東商講演会 会場からの質問に答える伊藤氏

 東京商工会議所は1月21日、「2019年内外経済見通し」をテーマに金融部会新春講演会を開催した。ニッセイ基礎研究所経済研究部の伊藤さゆり主席研究員が講演し、2019年の日本経済について「10月に消費税増税が実施されても、前回増税時に比べて影響は軽微であり、戦後最長の景気拡大は持続するだろう」と見通しを述べた。中小企業経営者ら約137人が熱心に聴講した。

 伊藤氏はまず、2018年の世界経済を振り返り、鉄鋼・アルミ追加関税や対中追加関税など米国のトランプ政権の政策に翻弄された1年だったと指摘。2019年もトランプ政権の先行きについて不安が広がるほか、英国のEU離脱やEUのトップ交代などリスクイベントが目白押しで、米国、中国、欧州とも「成長は続くが減速する」との見通しを示した。

 その上で日本も、改元、10連休、G20サミット、参議院議員選挙、消費税率引き上げなど、政治や外交、皇室行事が目白押しと紹介。個人消費は低調で、設備投資は減速するものの、戦後最長の景気拡大は続くと指摘した。ただ増税や東京五輪効果といった景気の下振れリスクもあり、五輪開催半年後の2020年後半に停滞する可能性もあると強調した。為替は円安基調が続くと予想した。

 一方、米国は中間選挙後に再びねじれ議会となったことで、追加減税などは困難になり、保護主義への傾斜が一層進む可能性があると指摘。対中強硬姿勢は米国の総意であり、中国は軌道修正を迫られていると話した。2049年までに製造業主要国の先頭に立つことを目標とした中国の「中国製造2025」は、米欧の対中警戒を高めた点で失敗だったと断じた。

 さらに、EU離脱まで2カ月余に迫った英国や、マクロン政権への抗議デモが続くフランスなど「揺れる欧州」の現状を説明。ただ不満はあっても欧州はEUを必要としており、EUは分裂しないと指摘した。こうした混乱に対し、伊藤氏は「極端な情報に振り回される必要はない」と呼びかけた。日本を取り巻く環境変化はチャンスともなり得ると指摘し、「日本には追い風が吹いている」と強調した。

中小企業ニュース編集部

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