【特集】「クローズアップ・話題企業」高性能で低コストの配線材開発:マテリアル・コンセプト

2018/11/27 特集
この記事の内容 ・スマホやパソコンなどIT機器内の部品をつなぐ新しい配線材を開発
・「大学発ベンチャー表彰2018」で文部科学大臣賞受賞
・IoT、AI時代に不可欠、需要増に期待
マテリアル・コンセプト小池美穂社長 自社内の設備とともに

 スマートフォンやパソコンをはじめとしたIT関連機器は半導体などの電子部品で構成されている。機器の内部で各部品をつなぐのが配線で、これに不備があるとどんなに高性能な電子機器でも正常に作動しなくなる。従来の材料に比べ、電気抵抗が低く微細化も容易な新しい銅ペーストを開発したのがマテリアル・コンセプト(仙台市)だ。東北大の技術シーズから誕生した配線材料を開発、生産するベンチャー企業で、高性能で低コストの配線材料の開発は産業上のインパクトが大きいと、今年8月、科学技術振興機構と新エネルギー・産業技術総合開発機構が主催する「大学発ベンチャー表彰2018」で文部科学大臣賞を受賞した。同社の小池美穂社長に起業の経緯や現状、今後の展望などを聞いた。

――起業のきっかけは

 「2011年3月の東日本大震災を機に東北大の小池淳一教授が被災地の復興に貢献したいと太陽電池の配線を銅で作ろうとした研究が発端です。太陽電池の配線は高価な銀で、これを銅にすればコストが抑えられる。12年文部科学省のSTART事業に採択され、小池教授を当社CTO(最高技術責任者)として13年4月に起業しました。私は政府系機関に14年勤務した後、東京大学ベンチャーに転じ役員として経営企画から営業まで全部を見ました。あの経験が無かったら起業に踏み出せなかったかもしれません。今年4月からはまず会社の基盤を固めようと電子部品の材料開発にシフトしています」

――御社の技術とは

 「電子部品の配線は人間の体で言えばそれぞれの臓器をつなぐ血管のようなもので、それぞれの部品が高性能でも流すものがしっかりしていないと機能が活かせません。小池CTOはLSI多層配線材料の研究を行い、iPhone3への搭載を契機に世界標準材料となった銅合金を開発してきた経験を活かして新しい銅ペーストとバリア層を開発しました。銀やナノ粒子ペーストと比べ安価で、簡易なスクリーン印刷法で微細な配線を形成できます。電気抵抗も2.8~9µΩ(マイクロオーム)・センチと低く、無機基板のほかポリイミド基板にも対応可能です。伸びや曲げなどのフレキシビリティーに富み、接合の信頼性も高いので、性能面のメリットに加え、低コスト、省エネ、環境低負荷が実現できます」

企業概要&社長プロフィール

マテリアル・コンセプト
本社宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-40 T-Biz(東北大学連携ビジネスインキュベータ)410号
電話022-796-2590
設立2013年4月
従業員数16人
事業内容産業用材料の開発、製造、販売

社長プロフィール
小池 美穂氏(こいけ・みほ)1996年から14年間、政府系機関で大学等の技術を事業化する部門に勤務。2006年先端配線材料研究所設立。10年東京大学発ベンチャーに入社し企業間連携、経営企画、営業、工場立ち上げ等を担当。13年4月マテリアル・コンセプトを起業して現職。

中小企業ニュース編集部

関連記事

最新ニュース/記事一覧

back to top