【特集】「経済の新陳代謝で生産性向上を」茂木友三郎・日本生産性本部会長:中小企業へのメッセージ

2018/11/06 特集

需要創出の着眼重要
 
 起業を成功させるには何が必要か。キッコーマンが米国で醤油を売るためにやったことは、スーパーの店頭で醤油につけた肉で焼き、切って楊枝に刺し、お客さんに食べてもらうインストアデモンストレーションだ。米国人に醤油の味を知ってもらうために始めたが、評判が良かった。あわせて、醤油を米国料理にどう使うかを米国人のホームエコノミストを雇って研究してもらい、そのレシピを新聞の家庭欄などに載せてもらった。醤油瓶の首に小さなレシピブックを付けたり、クックブックも発行した。インストアデモンストレーションとレシピ開発によって、米国に醤油の需要を創り出した。
 
 私も米国留学中の夏休みなどにスーパーの店頭に立った。経営大学院で学位を取得すると、帰国してキッコーマンに戻った。米国に留学したばかりのころは、実を言うとそれほど醤油への関心は高くなかった。しかし、デモンストレーションをやるうちに、醤油はもしかすると国際的に通用するかもしれないと感じるようになっていた。醤油を世界に広める仕事をしてみようと思った。
 
 醤油という商品に惚れ、醤油の国際化の取り組みに60余年。起業を成功させるには新規需要を創り出す先進的な着眼が一番大事なポイント。そして自社の商品に愛情を持つことだ。勝てるという信念があると売り方も変わってくる。(談)

略歴

茂木友三郎(もぎ・ゆうざぶろう)氏
1958年慶大法卒、野田醤油(現・キッコーマン)入社。61年米コロンビア大経営大学院修了。95年社長CEO、2004年会長CEO、11年から取締役名誉会長・取締役会議長。経済同友会副代表幹事、日本経済団体連合会常任理事などを歴任し14年6月、日本生産性本部会長に就任。千葉県生まれ。83歳。

中小企業ニュース編集部

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