両機関活用のコツ伝授:ジェトロ・JICA連携促進記念セミナー

2018/10/12 イベント
ジェトロ&ジャイカ活用のコツ 各社が支援活用経験を披露したパネル討論会

 日本貿易振興機構(ジェトロ)と国際協力機構(JICA)は10月11日、東京都港区のジェトロ本部で「海外展開セミナー 事例から探るジェトロ・JICA活用のコツ」を開催した。企業の海外展開支援強化を目的に、両機関の連携を促進する覚書を今年7月に締結したことを記念する支援イベント。両機関の支援メニュー紹介や両機関の支援メニューを活用して海外展開を進めた企業によるパネルディスカッションを通して、定員を大幅に上回る180人の中小企業経営者らが海外進出のヒントを得た。

 ジェトロの支援メニューは、ビジネス展開支援部の岡田英治部長が紹介した。海外ビジネスを始めるための基礎的情報を収集したい場合は、各国・地域の情報を掲載しているホームページの活用を勧めた。特に「ビジネス短信」は更新頻度も高く有効とした。海外ビジネス立ち上げまでの一貫支援策として、中小機構などの国関係機関や商工会議所など全国1000超の支援機関が参加している新輸出大国コンソーシアムを紹介。企業の海外展開の段階や個別課題に応じた専門家が最適な支援策を案内するとした。

 JICAの支援メニューは国内事業部の斉藤幹也次長が説明した。途上国の莫大な開発課題を海外に進出したい日本企業の技術で解決するためのマッチングを後押しするとして、ODA(政府開発援助)の3段階支援「基礎調査」「案件化調査」「普及・実証・ビジネス化事業」を案内した。

 続いて行われたパネルディスカッションには、両機関の支援メニューを活用して海外に進出した企業3社―産業用機械を製造している垣内(高知県南国市)の安岡和彦代表取締役、産業資材用コンテナバッグを手掛けているフクナガエンジニアリング(大阪市城東区)の古川圭一執行役員経営支援部門責任者、自動車用シート地を生産しているツヤトモ(愛知県一宮市)の小栗由裕代表取締役―が登壇。ジェトロビジネス展開支援課の石原圭昭課長とJICA国内事業部中小企業支援事業課の澁谷晃課長の司会で進行した。

 垣内は中小機構の海外ビジネス戦略推進支援事業も活用してタイの養鶏事業者に飼料の造粒機を納入。フクナガエンジニアリングはベトナムに現地法人を設立して創業当時の主力事業である金属リサイクル事業を展開し、エチオピアでもリサイクル技術導入の案件化調査段階にある。ツヤモトはミャンマーの繊維産業再建に向け、国営工場に高圧染色や仕上げ加工の技術と設備を導入するため、工業省との合弁会社設立を投資委員会に申請している。

 「専門家に提供された現地の規制関係情報が役立った」「日系企業がほとんど進出していない国では、政府系の力がなければ次の展開は望めなかった」と支援を高評価する一方、「ビジネス英語を使える人材がいない企業の海外進出は困難」として人材育成支援を求める声もあった。

 最後に「海外展開で事業の選択肢が広がり、会社の雰囲気も良くなった」「参入障壁の高い国でODA活用は最良策」などと海外進出を検討している企業に支援活用を促すメッセージを寄せて閉会した。

中小企業ニュース編集部

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