地域の力引き出すために:中小機構関東「叡智の会 ㏌ 燕三条」

2018/10/09 イベント
中小機構関東「叡智の会イン燕三条」 人材活用とモノづくり企業の発展で熱が入ったパネル討論

 中小機構関東本部は「叡智の会 ㏌ 燕三条」を10月5・6の両日、新潟県三条市の燕三条地場産業振興センターなどで開催した。「地域の力を引き出す企業を目指して」をテーマに初日は同センターで基調講演とパネルディスカッションを実施し、2日目に地元企業が工場を公開するイベント「燕三条 工場の祭典」および中小企業大学校三条校オープンキャンパスを視察する多彩なプログラムに43人の会員が参加した。

 叡智の会は、同本部の支援メニューを活用した中小企業経営者が交流する中で叡智をさらに深める経営者クラブとして2016年11月に発足した。これまでに東京都内で5回開催してきたが、今回初めて東京以外の場所で開催した。

 冒頭、占部治本部長が「中身の濃いカリキュラムで開催する。実りのあるものにして経営に役立ててほしい」と開会挨拶。続いて同センター理事長で三条市長の國定勇人氏が「ものづくりの町が持続可能性を手に入れるために、叡智の会の意見を聞いて知恵と力を付けたい」と歓迎の言葉を述べた。

 基調講演は細谷祐二・新潟県立大学国際産業経済研究センター教授が担当し、「地域の力を引き出す企業」と題して、グローバル・ニッチトップ(GNT)企業の特徴などを説明した。細谷氏はGNT企業を隙間産業で高いシェアを持ち、競争力に優れ国際市場でも活躍する企業と定義づけた。さらに、取引先の企業やエンドユーザーからニーズが持ち込まれる形で市場性を把握し、これを実現する自社技術が不足する場合は企業・産学連携で補えるGNT企業が、より成功すると説明。技術革新には「海外を含めてネットワークを拡大すべき。社内ベンチャーも有効」と助言した。

 続いて行われたパネルディスカッション「地域と企業の未来を描く」には、厨房システムを受託生産しているハイサーブウエノ(新潟県三条市)の小越元晴代表取締役、めっき加工のニシハラ理工(東京都武蔵村山市)の西原敬一代表取締役の2人の会員が登壇。國定氏と細谷氏を交え、占部本部長の司会で進行した。

 國定氏は、高等教育機関がない燕三条地域は人口流出過多の都市構造にあると同地の窮状に触れたうえで、人口流出防止と若手技術者育成を目的に実学系ものづくり大学の開学を計画中と説明。小越・西原両氏も人材確保が困難として「従業員の家族に職場を見学してもらって業務に理解を得ている」(小越氏)、「ものづくり塾を社内に立ち上げて若手を育成している」(西原氏)と企業努力の事例を紹介した。細谷氏は2社の共通項を「顧客との距離が近く、独自技術が認められている」と解説した。

 2日目に視察した「工場の祭典」は金属加工などの高い技術が集結している同地で13年から実施している工場見学・体験イベント。今年は「工場」93社に加えて農業を営む「耕場」8社と商品を販売する「購場」8社の計109社が工場を10月4日から7日まで公開した。三条校は中小企業の現場で行うカリキュラムを取り入れた実践的な研修が特徴。オープンキャンパスは16年10月に始めた。

 会員から「今後の燕三条地域について前向きな意見が聞けて良かった」「普段見られない製造現場を見ることが出来て勉強になった」などの感想が寄せられ好評だった。

中小企業ニュース編集部

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