日銀審議役がフィンテックを解説:東商

2018/10/03 イベント
フィンテックの現状を説明する副島氏 フィンテックの現状を説明する副島氏

 東京商工会議所は10月2日、東京都千代田区の東商会議室で「金融サービスの変革~FinTechが私たちの生活をどう変えるか」をテーマとした講演会を開いた。日本銀行決済機構局の副島豊審議役・FinTechセンター長が、フィンテックの現状と今後の動向について解説。タイムリーなテーマだけに約150人が参集・聴講した。

 副島氏はキャッシュレス決済の現状について、民間消費支出が300兆円に対し、カード(クレジット・電子マネーなど)決済は60兆円と、約2割にとどまっていると説明。これに対し、すでにキャッシュレス決済手段は乱立しており、手段がないのではなく、あっても「使わない」「使えない」人が多いと解説した。

 日本の人口構成(地域・年齢・性別)を反映させた全国4000人に対する日銀アンケートによると、クレジットカードを使わない人が3割おり、使わない理由として、その6割近くが「ATM(現金自動預払機)の利用で事足りる」と回答という。一方でキャッシュレス決済をする最大の理由は「ポイントや割引などの便益面」と答えており、副島氏は「コスト面から今後、金融機関が店舗やATMを削減すれば、キャッシュレス決済はさらに増加する」と強調した。

 その上で、既存金融機関は大規模な顧客のプールや顧客情報・決済データの確保、店舗・情報システムなどのアドバンテージがあり、「フィンテックでもプラットフォーマーになり得る」と説明。ただ全く新しいプラットフォーマーが顧客チャネルを支配し、既存金融機関は伝統的サービスを提供する、情報通信業界における“土管”になる危険性もあると指摘した。

 さらに仮想通貨と、それを支えるブッロクチェーン技術についても言及。日銀自体も中央銀行デジタル通貨の研究に取り組んでいると話した。

中小企業ニュース編集部

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