地域課題解決の新手法学ぶ:関東経産局「シェアリングエコノミー官民連携セミナー」

2018/09/12 イベント
関東局「シェアリングエコノミーセミナー」 基調講演する髙田企画官

 経済産業省関東経済産業局は9月10日、東京都千代田区のTRAVEL HUB MIXで「シェアリングエコノミー官民連携セミナー」を開催した。スキル・時間・場所・モノなどの有形・無形の遊休資産を共有して地域課題を解決するシェアリングエコノミーの可能性を探ろうと自治体や地域金融機関の職員ら約100人が参加し、個人事業主や小規模事業者らの参画余地や課題解決の新たなヒントを見出した。

 セミナーは、髙田裕介・内閣官房シェアリングエコノミー促進室企画官が企業に限らず地域住民や個人事業主らが参画することでも「共助・協働」型の課題解決策となりえる「シェアリングエコノミー」の導入推進策を説明する基調講演と、岩手県釜石市、千葉県南房総市、大分県別府市の職員らがシェアリングエコノミーの導入事例を紹介するパネルディスカッションの2部構成。

 基調講演で髙田氏は、シェアリングエコノミーの事例として先行している民泊や自動車に相乗りするライドシェア以外にも、モノをシェアするフリーマーケットやレンタルサービス、スキルをシェアする家事・育児代行など多彩な可能性があると説明。具現化するにはサービス提供者の「空き状態」とサービス利用者の「待ち状態」をリアルタイムに把握してマッチングするデジタルプラットフォームの提供者が必要とした。

 政府がこれまでに実施してきた取り組み事例として、内閣官房が作成したシェアリングエコノミー・モデルガイドラインに基づいてシェアリングエコノミー協会がサービスを認証する仕組みを構築したことや、シェアリングエコノミーを活用した社会課題解決策を実態的に推進した実績のある人材をシェアリングエコノミー伝道師に任命して、宮城県気仙沼市や岐阜県関市など11地域に派遣したことなどを紹介した。

 一方、サービスの利用者とスキルレベルが大きく変わらない地域住民らがサービスの提供者として参画する可能性が高い事業であることから、CtoC(消費者間取引)取引条件のイコールフッティング(同一化)は検討すべきとした。

 続いて岩手県釜石市、千葉県南房総市、大分県別府市の職員が、それぞれのプラットフォームを提供したシェアリング事業者と登壇し、連携した取り組みを概説した。釜石市総務企画部オープンシティ推進室長で内閣官房シェアリングエコノミー伝道師の石井重成氏は、同市が19年に開催されるラグビーワールドカップの会場を提供することから外国人の民泊受け入れ体制整備を進めていることを説明した。

 南房総市商工観光部商工課商工振興係副主査の金井良介氏は、フリーランス候補者向けのクラウドソーシング(不特定多数の人材によるサービスやコンテンツの取得)の周知啓発講座を実施した成果として、今年4月に受講生16人で情報発信サイトを立ち上げて収益を上げたケースを紹介した。別府市から同市の産業連携・協働プラットフォームB-biz LINKに出向している堀景氏は、インバウンド対応として国際交流したい地域住民らによる観光案内や温泉に特化した外国人向けウェブサイトの運用事例などを話した。

 最後に「シェアリングエコノミーを活用した地域活性化の主役は地域住民だが、サービスと公共性のバランスには理解を求めるべき」「多岐にわたる課題や未来を展望するプロジェクトが多い中、多様な関係者が足りない部分を補い合って楽しむことが必要」とする意見を共有して閉会した。

中小企業ニュース編集部

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