最新情報収集に70人:ジェトロ「メキシコ進出セミナー」

2018/08/08 イベント
メキシコ進出セミナー 志賀氏の説明に聞き入る参加者

 日本貿易振興機構(ジェトロ)は8月6日、東京都港区の同本部でメキシコ進出セミナーを開催した。経済概況や人材確保などに関する最新の現地情報を収集したい中小企業の経営者ら約70人が、同国進出に伴う専門家の助言に聞き入った。

 まず、ジェトロ海外調査部米州課の志賀大祐氏が成長著しい自動車分野の近況を説明した。2017年の生産台数が400万台、輸出台数が300万台を突破し、このうち日系自動車メーカーは生産で3割強、同国内販売でも4割強を占めたと報告。米国メーカーが同国で生産している自動車の大半を自国に輸出していることを踏まえると、日系メーカーのシェアは高水準での維持が期待できるとした。

 同国に進出している日系企業数も2012年からの5年間で546社から1182社に急増。中でも米国のサプライヤーが多数進出し、日本の大手自動車メーカーも工場を新設するグアナファト州の事業所数増加が顕著とした。

 一方、関税撤廃を定めた北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しを強く迫る米国トランプ政権と、今年7月の大統領選に勝利し12月に発足するオブラドール政権による同協定再交渉協議には注視を求めた。オブラドール政権は既存の通商協定を輸出促進策として維持し、さらに自動車部品工場の多い北部国境地帯では法人税をトランプ政権の21%を下回る20%に減税する方針を打ち出していることなどから、日系自動車メーカーには概ねプラスの展開が予見できるとした。

 続いてジェトロの中小企業海外展開現地支援プラットフォームの松田佳行コーディネーターが、メキシコ進出時の注意点を説明した。同国では大学の会計学部を卒業すれば公認会計士となるため即戦力にはなりにくいとして、メキシコ公認会計士協会の認定公認会計士の採用を勧めた。2015年から税務関係情報は当局が指定する電子ファイル形式で提出することが義務付けられているものの、当局の手続きも一部で正確性に欠けるため、当局のミスを指摘できる体制整備を促した。

 メキシコ人は人への忠誠心が強いことから、企業の生産性向上を実現するには「メキシコ人従業員とスペイン語で会話し、アミーゴ(友人)になるべき」と強調。有能な人材はキャリアパス(昇進に必要な職歴)を示したうえで重要な職位に登用し、異なる文化・風習を理解し合うファシリテーター(促進者)として育成するよう勧めた。

 他方、日鉄住金物産(東京都港区)の竹下晶氏が同社と日系総代理店契約を結んでいるメキシコ中央高原地域のリンテル工業団地、アミスタ工業団地(コアウィラ州アク―ニャ市)の佐々木絵美日本事務所長が同社の保有する多数の工業団地のロケーション、開発面積、入居日本企業数、インフラ環境などをそれぞれ紹介。セミナー修了後は1社あたり40分の個別相談会も開催し、同国進出を検討している企業の実務的な課題解決に努めた。

中小企業ニュース編集部

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