人材育成でシンポジウム:東商

2018/08/07 イベント
not set 自社の取り組みを説明するイーソルの澤田氏

 東京商工会議所は8月6日、東京都千代田区のフクラシア丸の内オアゾで「人材育成シンポジウム」を開いた。慶応義塾大学大学院の高橋俊介特任教授が基調講演したあと、川原代自動車電機工業所(茨城県龍ヶ崎市)の湯沢文一代表取締役、イーソル(東京都中野区)の澤田綾子人材開発課課長、ワークセッション(大阪府島本町)の鈴木泰詩代表取締役の3人を交えてパネル討論会を行った。中小企業の経営者や人事担当者ら123人が聴講した。

 高橋特任教授は「人が育つ組織をつくる~個人のキャリア自立と企業の継続的支援のあり方~」と題して講演。先進国の中で日本は最も教育・研修に投資しない一方、技術の進歩や仕事の高度・専門化に伴い、仕事をしながら上司が新人を教育するOJT(オンザジョブトレーニング)が成立しにくくなり「このままでは人が育たない」と指摘した。

 その上で、同僚や先輩など職場の横のコミュニケーションが若者の成長を促すと指摘し、「上司は教えるというより学ぶ場をつくることが使命だ」と強調した。上司や職場で教えられないことは外部の研修などを活用し、研修を受ける前後で目的の確認や動機付け、能力活用機会の提供などを上司がフォローすれば効果は増大すると提案した。さらに会社としてキャリア形成支援の考え方を社員に伝え、多様な機会を提供することが重要と述べた。

 続いて「人が育つ組織の特徴~社員の自律的なキャリア形成を支援する企業の先進事例から学ぶ」をテーマにパネル討論会を行った。川原代自動車電機工業所は従業員数12人の自動車整備工場。車のコンピューター制御化に伴い、さまざまなテスターや診断機の使用が不可欠となっており、湯沢代表取締役は「メーカーや整備協会による外部研修を積極的に利用している」と話した。組み込みシステムメーカーのイーソルは、会社が受講を指示する研修だけでなく、本人の希望で受講する研修も可能にし、澤田課長は「会社全体の底上げに加え、自律的な学びを増やしている」と話した。

 また東商の研修講師も務める鈴木氏は、人材コンサルタントとしてかかわった顧客企業の取り組みを披露。採用と育成を結びつけた「採用プロジェクトメンバー」を組織し、社長をインタビューした上で、どんな採用面接をすべきか、新入社員の研修はどうすべきかを議論した。さらにメンター制度を導入した結果、「4年間で9人入社したが、離職率はゼロになった」と述べた。

中小企業ニュース編集部

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