【特集】「生産性を考える」体制最適化が効率の要:東郷(鹿児島市)

2018/08/02 特集
この記事の内容 ・労働環境の見直しから業務改善に取り組む
・次に生産活動全体の最適化で新たなニーズに対応
・24時間連続加工が難しい金型製作の自動化に挑戦中
特集・東郷 製造中の金型を手にする東代表

 高い技術力が要求される金型製造は〝匠〟の世界。だが近年、中国をはじめとする海外への生産シフトが増え、より高度な超精密金型も例外ではなくなっている。日本での生産体制を維持し増大する需要に対応するには、高品質とともに高効率な生産体制が求められる。それを実現する取り組みがある。

 職人技で作り上げる金型生産は数十年前のこと。現在の業界は、工作機械の技術進歩により機械に頼る製造へと変化している。人件費の安さを考慮すれば、機械化によりそん色のない品質が得られるアジア各国へと金型生産がシフトするのも仕方ないことだ。

 それでも国内製造との違いはある。超精密金型メーカー、東郷の東成生代表取締役(60)は「日本の技術者は、ものづくりのイロハが体に染み込んでいる。挑戦し失敗し、その原因を解明することで身に付くノウハウの厚み。この基盤の違いは簡単に追い越されることはない」と言い切る。

 日本の製造業の強さがここにある。だが、低コストによる量産品には対抗できない。この状況を東郷は、生産体制を最適化することで高品質、工程の短縮、低コストを実現させ、国内需要の増大に応えている。

働き方の意識改革から

 大手電装メーカーでの勤務を経て、鹿児島市に戻った東代表は27歳で起業。地域には金属加工業が少なく、仕事を発注する企業も地盤もなかった。「あるのは必死に働けば何とかなるという気概だけ」と当時を振り返る。その後、NC工作機を導入し地道な営業活動を通し仕事を確保した。ニーズは絶え間なく変化する。それに対応するため最新の機械を投入する繰り返し。金型は設備投資産業と言っても過言でない状態が続いたという。

 生産性向上への取り組みは5年前の業務改善から始まる。最初に手掛けたのは労働環境の見直し。残業なし1日8時間労働の徹底を図るが「抵抗は少なくなかった」と東代表は話す。昔気質の社員たちは、時間に縛られるような勤務体系を好まない。週明けの作業を考え休日に出勤し段取りをする者もいる。いずれも会社のためと思っての行動だが、これを改めなければ働き方改革はできない。

 「時間内に業務を終わらせる重要さを社員に理解してもらいたい。それには社外専門家の力が必要だと感じた」と東代表。トップダウンではなく、時間をかけ全社員が専門家の指導を受け入れるよう仕向けた。

企業概要

東郷
代表取締役東 成生氏
本社所在地鹿児島県鹿児島市川田町2194
電話099-298-8050
設立1985年10月
従業員数81人
事業内容精密プレス金型の製造・販売

中小企業ニュース編集部

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