【特集】生産性を考える 自動予側発注システム 社内開発の効果絶大:まくら(千葉県柏市)

2018/07/31 特集

アイデア創出に人材充当
 推奨する枕の選び方は「好みや感覚。自分に合っているかどうかは寝慣れた布団で試して初めてわかる」と明快。20日間無条件返品制度を付けたネット販売のみで経営している理由でもある。枕はメーカーの希望価格で販売するため値引きやポイント付与が主流の今は割高感が否めないが、購入前に試したい枕3点を1000円で20日レンタルするサービスや無料の贈答用包装が好感され、創業以来14期黒字経営を続けている。

 河元氏にとって生産性向上とは「業務を効率化するツールやシステムを社内で開発して機械ができる作業は機械に任せ、人間にしかできない企画立案などを人間がするようになる」こと。この社内リソースの適正配分により受発注は機械の業務に「格下げ」し、アイデア創出に人材を充当できるようになったため、地域資源活用事業計画認定を受けた「らっかせいまくら」や千葉県のご当地キャラクターをモチーフにした「チーバくんの安眠まくら」などの独自商品やOEM(委託者ブランド名製造)も実現できている。まくらという社名を最強のSEO(検索エンジン最適化)対策に営業マンを置かず宣伝費もかけず、反響営業だけで「応じきれずに断る方が多い」数の共同企画案が舞い込んでいる。

 これまでに社内で構築したツールは自動追加発注など約180個。ネット通販事業者に高評価されたことから商品化し、近く別会社化するまでの事業に成長した。「プログラマーの雇用効果は絶大。人件費が高くても採算は必ず取れる」と自社開発の有効性を強調する。12年に経済産業省の中小企業IT経営力大賞の優秀賞を受賞した際、ベンダーの存在を初めて知ったほど「システムの社内開発は当たり前」だ。

海外進出も実現
 同社は中国にも進出している。新卒採用した中国人スタッフの働きなどで同国の大手ネット通販サイトに出店。昨年の独身の日(11月11日)には6000万円を売り上げ、同日の「日本の寝具販売業の海外展開で一気に上位になれた」と振り返る。

 現在ネット通販に直接携わっているのは従業員27人中2人だけ。大多数は未来への投資と位置付ける業務に就いている。快眠性の追求に必要として睡眠を数値化する技術を研究中。AI(人工知能)を搭載した枕も構想している。枕が起こしてくれてカーテンを開け、秘書機能と連動して日程を管理、体温や血圧を測って医者や家族に送信、寝ていても緊急地震速報や大雨警報を知らせ、時には人生相談も…。「こんなイメージを現実にして世界に発信したい」と意欲的だ。

企業概要

まくら
代表取締役河元智行
本社所在地千葉県柏市柏4-8-14 柏染谷ビル4階
電話04-7167-3007
創業2004年4月
設立2004年4月
従業員数27人
事業内容枕を中心とした寝具のインターネット販売、オリジナル枕の企画開発、卸売販売、OEM受託開発など

中小企業ニュース編集部

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