中小企業白書に学ぶ生産性向上事例:中小機構虎ノ門セミナー

2018/05/30 イベント 支援
not set 生産性向上の成功事例を紹介する山田氏

 中小機構は5月29日、東京都港区の本部で中小企業大学校の虎ノ門セミナーを開いた。4月下旬に公表された2018年版中小企業白書及び小規模企業白書をもとに、中小企業庁事業環境部企画課の山田健太調査員が生産性向上に成功した企業の事例を詳しく紹介した。今年の白書は昨年の倍以上にあたる113事例を取り上げており、会場には自社経営のヒントを模索する中小企業経営者など100人を超える人が集まり熱心に聴講した。

 山田氏は中小企業の景況感は改善傾向にあるものの大企業との生産性格差が拡大していると指摘。生産性を向上させるには業務プロセスの見直し、人材活用面の工夫、IT利活用、設備投資、M&A(企業の合併・買収)を核にした事業の再編成などが鍵になると説いた。

 業務プロセスの見直しでは、プラスチック製品製造の朋友(千葉県流山市)の事例を紹介。同社は中小企業診断士とともに業務の「見える化」に取り組み、金型の交換作業がネックになり稼働率や収益を低下させていることを突き止めた。約110万円を投じて生産設備にセンサーを設置し、クラウドを通して設備の稼働状況を分析するシステムを約1・5カ月かけて構築したところ、稼働率が約20%向上し、利益率も3・9倍になったという。

 ITの利活用では板金加工の今野製作所(東京都足立区)を取り上げた。同社は得意分野の異なる同業他社2社と共同受注を立案し、関係3社間で受注案件の進捗や引き合い状況を共有するシステムを構築。月に1・5万~3万円程度のコストで年間15件の共同受注に成功した。山田氏は「業務領域や企業の枠を超えて連携すればIT効果は飛躍的に高まる」と語った。

 最後に山田氏は「中小・小規模企業が生産性向上のために設備やIT導入に取り組む場合は費用の一部を補助する国の制度がある」と述べ、積極活用を呼びかけていた。

中小企業ニュース編集部

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