【特集】「情報化で人手不足に対抗を」三村明夫日本商工会議所会頭:中小企業へのメッセージ

2018/04/02 特集
not set            三村明夫日本商工会議所会頭

 2018年度が始まった。人手不足や事業承継など課題山積のなか中小企業経営の舵取りは簡単ではない。日本各地の商工会議所のトップで、中小企業の代弁者として政治や行政に対峙している日本商工会議所の三村明夫会頭が新年度運営に漕ぎ出す中小企業の経営者にエールを送った。

 景気は緩やかながらも上向いている。大企業では史上最高益となる企業も多く、財務省の法人企業統計をみると、収益力を図る指標となる売上高に占める利益の割合である売上高利益率は、アベノミクス前の5%から直近では8%まで上昇している。だが中小企業の場合は3.1が4.2%になった程度である。
 
 一方で、商工会議所の調査によれば中小企業は全体の約6割が賃金を上げている。生産性が上がって収益が上がったからではない。人手を確保するために止むを得ないからだ。賃金を上げないと人材を採用できない、あるいは従業員を自社につなぎ止めておけない。付加価値に占める人件費の割合を示す労働分配率は、大企業の43.9%に対し、中小・小規模企業では7、8割近くにのぼっており、賃上げが経営に与える影響は大きい。商工会議所の調査でも6割の中小企業が人手不足と言っている。一昨年度が50%、昨年度が55%と比率が増えており、このままでは来年、再来年はどういうことになるか心配だ。

 労働需給がこれだけ厳しいのだから数年後には賃金が上がるだろう。日本経済もこれからさらに成長していくだろうし消費も増えてくる。そうなれば人手不足がますます深刻になっていく。

 どう対処したらいいのか。ひとつは働き方改革といわれるように従業員が働きやすい環境を整えることだ。とくに人手不足の受け皿として期待されている女性の働きやすい環境を整える。中小企業では昔から女性が活躍してきたわけだからそれを発展させることも必要だ。高齢者、外国人も含めて、いかに働き手を確保するかが大きな課題だ。

三村明夫(みむら・あきお)日本商工会議所会頭

1963年富士製鉄(現新日鉄住金)入社。社長、会長、取締役相談役を経て2013年から相談役名誉会長。2013年11月から第19代日本商工会議所会頭、日本鉄鋼連盟会長、経済同友会副代表幹事、日本経団連副会長、中央教育審議会会長などを歴任。群馬県出身、77歳。

中小企業ニュース編集部

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