特集「次代担うベンチャー」九大の技術に魅せられ起業:ウィンドレンズ

2018/02/21 特集
この記事の内容 ・コスト見合いで大型化する風力発電機は騒音など環境被害で設置場所が限定的
・課題をクリアするコンパクトで高効率な九州大発の小型発電機「風レンズ風車」を実用化
・販売量を増やし設置コストを低減させ、環境に優しい小型風力発電の普及を目指す
not set 特徴あるブレードの前に立つ高田社長

 2012年度に導入された再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)により、太陽光発電、風力発電への取り組みが活発化した。再生可能エネルギーは、発電に伴う温室効果ガスの排出量を抑えられるメリットがある半面、太陽光は日中だけ。昼夜を問わない風力発電も年間を通し風が吹く地域に限定される。しかも風力発電は、効率化を狙いブレード(回転羽根)の長さ35㍍、地上からの高さは100㍍にも達する大型化が主流となっている。

 「コストで見れば太陽光が圧倒的に有利。大型化した風力は、騒音と低周波など人体への影響があり設置場所は山間部か海岸沿いだけ。もはや国か大手企業のプロジェクトでなければ風力発電は成り立たない」とウィンドレンズ代表取締役社長の高田佐太一氏(66)は語る。

 高田氏は大手メーカーの役員として大型風力発電事業を担当していた。そのメーカーは蓄積した技術を応用できる風力発電事業に乗り出したものの、設置の難しさなどから事業縮小が決まった。だが、高田氏は風力発電への思いを断ち切ることはできず、そこに九州大学が開発した小型風車が目に止まったという。

 九州大学の大屋裕二教授(当時)らのグループが開発し04年に特許を取得したのは、フードを搭載した小型風車。メーカー時代から大屋教授との交流があり、その流れで共同研究を開始。08年に起業して実用化を目指した。

 開発した風レンズ風車は、どこにでも設置できるコンパクトさと高効率な発電ができる次世代小型風力発電機。ローター(羽根の回転直径)周りに特殊なダクトを取り付け、風車の後方へ強い渦を発生。この渦が風車後方の圧力を低下させダクト内へ流入する風速を1.4倍に増速させる。発電量はダクトがない場合に比べ3倍の出力が出せる。

会社概要 

ウィンドレンズ
代表取締役社長高田佐太一氏
本社所在地福岡県筑紫野市上古賀3-2-16 クリエイション・コア福岡内(Tel092-555-2500)
設立2008年4月
従業員数4人
業務内容風レンズ風車(風力発電機)の製造・販売・設置工事・メンテナンス、自然エネルギー機器の販売

中小企業ニュース編集部

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