海外進出リスク学ぶ:東商・日商「知財侵害対策セミナー」開催

2018/01/17 支援
not set 知財訴訟の現状を認識したセミナー

 東京商工会議所と日本商工会議所は1月15日、東京・丸の内の三菱ビルで、海外の知財訴訟の現状と対策を説明する「『えっ!?海外企業から知財侵害で訴えられた!?』海外進出のリスクとその対策(知的財産編)」を開催した。海外で事業展開している中小企業の経営者や法務担当者ら約80人が、対策強化の一助とした。

 海外展開には、自社の知的財産権が模倣されるリスクがあるだけでなく、他社から知的財産権侵害で訴訟を起こされる恐れもある。セミナーは、このようなケースを防ぐ手段を伝授する2部構成。1部は、工業所有権情報・研修館の鈴木崇氏が講師を務めた。

 鈴木氏は、製品サンプル提供先企業の工場見学依頼に応じて製造現場を案内し、材料の配合、部品や設備購入先をおしえたところ、後日他国で同社商標を付した製品が半額以下で販売されているとの情報が入ったなどの事例を紹介したうえで、「重要情報は、守秘義務契約なしで開示すべきでないが確信犯には無効」と述べ、開示する情報の階層化による戦略的管理を促した。

 2部では、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの萩原達雄氏が、日本企業の進出数の多い中国と米国の訴訟に関する調査結果および対策のポイントを主に説明した。

 中国では、2010年に約4万3000件だった知的財産関係の民事訴訟が、16年には約13万7000件と他国に比べて圧倒的多数におよんでいることを示し、「海外企業が中国で提訴される可能性は高まっていると見込むべき」と警告。米国では、厳格な証拠開示制度や陪審員による評決制度を採用しているため、相当の準備と覚悟を求めた。

 海外で知財訴訟に巻き込まれない準備として、初動対応の重要性を強調。特許庁の「中小企業向け海外知財訴訟リスク対策マニュアル」を参考に、訴訟対策方針策定をはじめ、想定される解決策の整理、弁護士らとの専門家ネットワークを複数ルート確保することなどの対策を促した。

中小企業ニュース編集部

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