特集「次代担うベンチャー」世界一の研究開発型「町工場」へ:太盛工業(クリエイション・コア東大阪)

2017/12/28 特集
この記事の内容 ・最先端技術を追求する4人の博士号を持つ「町工場」
・金属加工では対応できない超精密部品の製造を得意とする
・産学連携で研究開発を強化し世界一を目指す
not set 検査機器が並ぶクリエイション・コア東大阪内の太盛工業研究開発室で田中社長㊨と鹿子研究員

 正社員は23人。このうち4人が博士号を持つという「町工場」が、太盛工業の特徴のひとつ。「町工場としてはかなりの比率だと思う」と話す代表取締役の田中茂雄氏(64)も工学博士。ただ、博士の多さが自慢ではない。世界中どのメーカーも対応できない金属部品を作り出そうという最先端技術の追求と、その取り組みによる結果が博士の多さに表れたと見るべきだろう。

 同社は、プラスチック樹脂による射出成形部品を製造し、組み立てまでを主要事業とする、いわゆる町工場として1974年、東大阪市で創業した。92年、2代目に就任した田中社長は、従来の製造技術をベースとして新たに粉末冶金による金属粉末射出成形(MIM)の事業化に着手。自ら持つ樹脂成形の知見と大学で培った金属技術をもとに、金属加工では容易に作れない、複雑な歯車などの部品製造を始めた。

 「MIMは60年前に米国で開発された技術。複雑な3次元の形状やミクロレベルの形成が可能で、金属材料も粉末であれば対応できるなど、多くのメリットがある」と研究開発室の鹿子泰宏研究員は説明する。より小さく精度の高い製品を作り上げていくためには研究開発が欠かせない。この展開が、研究開発型「町工場」と言わせる理由だ。

 現在の研究開発テーマは「超精密MIM」のさらなる高精度化。すでに技術は確立しており「3μmの構造体も作れる」と鹿子氏はいう。展示会などでは米粒の上に3つの歯車を置いて技術力を示す。同社の強みは極小化と高精度が伴っていること。これが海外メーカーや金属加工業者の追随を許さない。現状に満足することなく、世界一を目指すためには「さらに研究開発に軸足を置く」と田中社長は強調する。

企業概要

太盛工業
代表取締役社長田中茂雄氏
本社所在地大阪府寝屋川市池田北町26-1(℡072・829・3588)
設立1974年6月(創業72年1月)
従業員数45人
業務内容超精密MIM、ポーラス金属、樹脂を材料とする射出成形品の部品製造と組み立て

中小企業ニュース編集部

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