IT導入で人件費の低減に成功:浜松の飲食店チェーン社長が講演

2017/12/16 イベント
not set 「お客の笑顔に一番近い仕事をやりたかった」と起業の思いを語る渡邊氏

 中小機構関東本部は14日、東京都中央区のビジョンセンター東京別館で関東経営者クラブ「叡智の会」の1周年記念セミナーを実施した。静岡・愛知県で飲食店を多数展開する株式会社こころ(静岡県浜松市)の渡邉一博社長が、外食業界の人手不足のなかでIT(情報技術)の導入と組織的な人材教育で成果を挙げている同社の取り組みを講演。約40人の参加者はメモを取りながら熱心に耳を傾けていた。

 渡邊氏は「お客の笑顔に一番近い仕事をやりたい」とIT企業を脱サラ。学生時代の友人とともに2007年に創業した。外食業界が慢性的な人手不足に直面するなか、同社は店長が作成した従業員の勤務シフトを本部で直接管理したり、従来型のタイムカードを廃止して指紋認証のオンライン勤怠管理システムを導入するなどして、売上管理や給与計算の作業を効率化。人件費を業界の平均値より抑えることに成功した。

 渡邊氏は「作業の〝見える化〟をロジカル(論理的)に追求したことが人件費を抑えることができた要因」と分析。従業員450人を率いて「酒屋ダイニング てんくう」など19店舗を経営するほか地元農家と連携した食材のネット販売など新規事業にも取り組んでおり、「外食IT企業としていずれは株式上場を目指したい」と意欲を示した。

 聴講した人材派遣業Right Stuff(東京都渋谷区)営業支援部の市川玲代さんは「中小企業にとって人手不足は身近な課題。今日の話はとても参考になった」と評価。電子機器開発製作のリンクサーキット(埼玉県和光市)の荻原玄社長も「課題は放置せずにまずやってみることですね」とうなづいていた。

中小企業ニュース編集部

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