特集「新たな時代に向けて」マグネシウム加工でアジアトップ目指す:STG(大阪府八尾市)

2017/11/09 特集
この記事の内容 ・マグネシウム合金加工で第二創業、一貫生産体制も
・中国、タイで現地生産し現地需要取り込む
・株式上場を予定し「会社を公器に」
not set 独自の機構を盛り込んだゲーム機用部品加工機を説明する佐藤社長

 マグネシウム合金加工を主力とするSTG(大阪府八尾市)。海外展開、M&A(合併・買収)、人手不足という中小企業が抱える大きな課題をクリアし、株式上場も視野に入れている。2代目の佐藤輝明代表取締役が第二創業といえるマグネシウム加工を断行した経営手腕によるもので、「アジアでトップを目指す」と、新たな構想を描いている。

 下請けから脱皮
 「一度は事業をやめようとも思ったが、独自の装置を開発したことで軌道に乗った」―。佐藤社長は、マグネシウム合金加工に乗り出した当初を振り返る。

 マグネシウムは、それまで同社が加工していたアルミニウムに比べ強度が高く、3割以上軽い。その特性に注目したパソコン大手から筐体に採用したいという引き合いがあった。パソコン需要が伸びていた時代。実現したいと思い、2次加工である「バリ取り」作業に乗り出した。「何とか下請けから脱皮したい」との強い思いからだ。だが、マグネシウムは発火性が高い。作業中に粉塵が発火し、小さな爆発が起きたこともあった。「やめようか」と思ったのはそのときだ。

 窮地を救ったのは、創業者で技術者の父親だ。特許技術が詰まった湿式集塵機を開発して粉塵対策を解決。これで本格参入を決意し、第二創業を果たした。2002年のことだ。

 入社1年で利益
 同社はアルミニウム表面加工、バリ取りなどを事業として1966年に創業。82年には「顧客、働く仲間、社会全体」の3つが輝くという意味から、「三輝ブラスト」を設立。この間、VTRブームもあって、筐体を加工していた同社も売り上げが大幅に拡大した。しかし、90年代に入るとセットメーカーの海外進出もあり、海外との猛烈な価格競争にさらされ、三輝ブラストは債務超過に陥った。佐藤氏が「父親の会社を何とかしたい」と思い、商社勤務から転じて入社したのはこのころの94年。

 入社して分かったのは「単価は安かったが、仕事はある。それなのに利益が出ない」構造だった。最終検査を内職に任せて変動費化するという改革を行い、1年で利益が出たという。佐藤氏の経営者としての嗅覚を存分に発揮した。

企業概要&社長プロフィール

(株)STG
本社所在地大阪府八尾市山賀町6―82―2
設立1982年(95年に株式会社化)
資本金約3億9502万円(資本準備金含む)
グループ従業員数約380人
上場東証マザース(2016年6月)
業務内容マグネシウム、アルミニウムなどの金属成形品精密加工

社長プロフィール
佐藤輝明氏(さとう・てるあき)
1966年大阪市生まれ。89年立命館大学経済学部卒後、日通商事入社。94年三輝ブラスト入社。2002年マグネシウム合金加工で第二創業スタート。06年三輝ブラスト代表取締役。10年TOSEIをグループ会社化し、社長に就任。15年社名をSTGに変更。

中小企業ニュース編集部

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