特集「新たな時代に向けて」農業を儲かるビジネスに:農業総合研究所

2017/11/08 特集
この記事の内容 ・日本の農業を何とかしたい、との想いで会社勤務から農家に弟子入りする
・そこで知ったのは「農業はつまらない」ことだった
・「直売所」を設置し新鮮な農産物を生活者に提供、農家の収入アップの仕組みを構築
not set 「農業への情熱を燃やし尽くす」と語る及川社長(東京営業所で)

 農業はビジネスであるはずだ。生産し出荷する一連の過程は製造業と同じだが、個々の事業規模、利益率の差はあまりにも大きい。その要因は自然に左右されるリスクや法制度、個人経営など多くの面から指摘することができる。「ビジネスとして農業を捉えるようにすれば、おのずと道は拓ける。そのツールを提供していきたい」と農業総合研究所代表取締役社長の及川智正氏(42)は強調する。

 大学で農業経済を学んだ及川氏は、一般事業会社に就職したが「日本の農業を何とかしたい」との考えを捨て切れず、農業を営む妻の実家に〝弟子入り〟して野菜作りを修行した。ここで「農業は面白くない」ことを知ったという。

 苦労して作った野菜を農協に収め、その際に手にするのは出荷票だけ。いくらで売れたのか、どこで売るのか、誰が買ったのかは分からない。「ありがとうの一言すらもらえない農業でいいのだろうか」という疑問が、起業への引き金になった。

 農業修行の次に青果店を経営し、そこで「生産」と「販売」現場のギャップを埋める必要性があると実感。そして、わずか50万円の資金で農業総合研究所を設立した。設立から9年目となる昨年6月、東証マザースへの上場も果たした。中小機構が主催する、志の高いベンチャー企業経営者を顕彰する「Japan Venture Awards2016」では大賞にあたる経済産業大臣賞を受賞するなど、社会的貢献度の高い事業が評価された。

企業概要&社長プロフィール

農業総合研究所
代表取締役CEO及川智正氏
本社和歌山県和歌山市黒田17‐4
設立2007(平成19)年10月
資本金1億9900万円
従業員数130人
上場東証マザース(2016年6月)
業務内容農家の直売所運営、農産物流通販売、農業コンサルタント

社長プロフィール
及川智正氏(おいかわ・ともまさ)
1975年生まれ。東京農業大学農学部農業経済学科卒業後、サラリーマンを経て2003年、和歌山県にて新規就農。06年、野菜ソムリエの店エフ千里中央店開設スタッフへ譲渡。07年農業総合研究所設立、代表取締役に就任。

中小企業ニュース編集部

関連記事

最新ニュース/記事一覧

back to top