“自転車のフェラーリ”を製造販売する2代目社長が講演

2017/08/10 イベント
not set 会場に自転車を持ち込み、オーダーメード自転車の真髄を話す今野氏

 中小企業活力向上プロジェクト実行委員会(東京都および都内中小企業支援機関で構成)と東京商工会議所は7日、東京・丸の内の丸の内二丁目ビルでセミナー「クラフツマンシップ(職人技)の伝承で切り拓く未来」を開催した。オーダーメードの高級自転車を製造販売する今野製作所(東京都町田市)の今野真一社長が講師を務め、同社の今日までの歩みと、匠のノウハウの継承に向けた取り組みを紹介した。中小企業経営者ら50人余りが聴講し、講演に続く質疑応答では活発なやりとりが繰り広げられた。

 今野社長は「父親が興した手づくり自転車の町工場が子供の時の遊び場で、溶接の真似事などで遊んでいた」と振り返り、自転車づくりの道をごく自然に選んだと説明。そのうえで、「1990年代の初め、台湾や中国に押されて仕事がなくなる」「海外製自転車の販売を手がけたが、限界を感じる」「高級自転車に活路をみいだそうと、自転車のフェラーリを目指す」「口コミで徐々にお客が広がり、競輪選手も使ってくれるようになる」「今では、8ヵ月待ってもらうほど注文が舞い込んでいる」と、同社成長発展の軌跡を語った。

 同社オーダーメード自転車の価格帯は40万~70万円。150万円と自動車並みの特注品もある。そのベースとなるのが確たる職人技で、今野社長は「職人技の伝承のため、溶接、ろうづけ、旋盤加工など自転車づくりの各工程について完全分業制を敷いた」といい、併せて「感覚で身に付けたものを数値化することで伝わりやすくした」と解説。さらに「2012年開校の日本初の自転車専門学校の講師となり若手を育成している。閉鎖的な職人の世界だが、オープンにし、自転車づくりの裾野を広げることが大切だと思っている」と説いた。

 質疑応答のなかでは、「ツール・ド・フランスのフランスやイタリアが自転車の本場といったイメージがあるが、米国では競輪がある日本を一番、意識している」「中華料理店に行くと、腕のいい料理人が炒飯やら何やら、たくさんの注文を手際よく次々とこなしている。僕らの仕事と似ているなと思う」など、ユニークな話を披露した。

中小企業ニュース編集部

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