中小製造業の人手不足感を指摘:平成28年度ものづくり白書

2017/06/07 調査

 経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省が共同作成した「平成28年度ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書)」が6月6日、閣議決定された。アベノミクスによって製造業の業績が着実に上向き、雇用拡大と賃金上昇という経済の好循環が生まれている一方で、人手不足の深刻化も浮き彫りになっていると指摘。とくに中小製造業の人手不足感が進み、人材確保は一層厳しさを増すとしている。ものづくりに対する若者の関心の弱さもあり、とくに中小製造業では若手人材の確保が困難となっている現状を紹介している。

 17回目となる今回の白書は、第1部「ものづくり基盤技術の現状と課題」では、「我が国ものづくり産業が直面する課題と展望」「ものづくり産業における人材の確保と育成に関する課題と対応」「ものづくりの基盤を支える教育・研究開発」の3章で構成。第2部では平成28年度で講じたものづくり基盤技術振興施策を紹介している。

 経産省が担当した第1章は、アンケートや分析を通じて、ものづくり企業の主要課題を「付加価値の創出・最大化」「人材不足が顕在化する中での現場力の維持・向上」ととらえた。この2つの課題を解決するにはIoT(モノのインターネット)などのデジタルツールの積極活用が鍵を握るとした。

 厚労省が執筆した人材確保と育成の課題と対応では、中小企業の事業所数、従業者数ともに減少傾向にある中でも中小製造業の人材不足感が進んでいる現状を解説。今後、生産年齢人口の大幅な減少が見込まれる中で、人材確保は一層厳しさを増すとしている。

 一方でアンケート結果から、「製品の品質をめぐる競争の激化」や「技術革新のスピード加速」を感じている中小企業は、人材採用や育成などで「成果が上がっている」と回答した企業が高くなっており、環境変化に対応している企業も多い。半面、ものづくりに対する若者の関心の弱さを感じている中小企業は、採用、育成ともに成果を挙げている割合が少ないとしている。

中小企業ニュース編集部

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